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束の間の楽園 第1話

「束の間の楽園」

~第一話 懐かしの海 ~

 

著:MarginLayer

 

ある日、僕は目覚めると目の前の世界には海が広がっていた。

 

それが本当に海だ、という確証は無かった、ましてや海などというものは見たこともなかった。

 

しかし、何処かに懐かしさなのだろうか、母のような温かみがそこには確かにあった。

 

一度は海を見てみたい、そう夢を見ていた頃の、好奇心あふれる子供心を今まで忘れていたのは何故だろうか。

私は山岳の中腹で生を得た。夏は蒸し暑く、冬は凍えるように寒い、
 
とても快適だとは言えない様な環境下で育った。一つだけ引っかかるのは、一度も子供の頃に広大な水たまりである”海”を見たという記憶が何処にも見当たらないということだ。
 
しかし、この炎天下の中、蒼天に輝く灼熱の熱波を降り注ぐ日差しの中から解放されたいという衝動に駆り立てられた
 
目の前には水平線上に真っ直ぐに広がる緑蒼の水平線
 
そして私は海に入ることを決意した
 
この暑い日差しの中、真っ白な砂浜の中、ふと気がつくと私は一人だった。
 
 
第2話続く

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 就職活動、何とか終了しました。 大学卒業まであと、数百日を残した4年生の春。企業のインターンも行ったことが無い、SPI?みたいな名前の算数の問題集も解いたことが無い、極めつけは指定校推薦で職業高校から進学したピュアな青年。 そんな私、この不景気で新型コロナウイルス感染症が蔓延し...