夢をかなえるゾウ 著 水野敬也
夢をかなえるゾウ、はたしてそんな動物は存在するのか、どうせまた「星の王子様」のような、途方に暮れたおじさんが突然現れた他人に、この先の道や、本当に大事なことは何なのかを導きだすストーリーなのかを想像した。
しかし、この物語の主人公は、どこにでもいるような若者と言う皮を被ったエリートさんである。そんな若者エリートの悩みはもっと成功を収めたい、パーティで出会った社長や著名人見たいにキラキラしたいと言う甘えた向上心だった。そう、彼が有名企業に勤めているのに、著名人見たく気迫に満ちた立ち振る舞いを夢見たのは何故だ!!坊やだからだ、彼が坊やだったからである。
主人公は上記に記したような5月病を患った┐(´∀`)┌ヤレヤレ系主人公、そして、その主人公をキラキラした成功者の風貌にする為、立ち上がったのは、友人から貰ったインドのお土産を依り代に降臨したガネーシャ、ヒンドゥー教のゾウの姿をした神であった。この神は、インドでは現世利益の神、「富の神様」としてあがめられている。
ここで一つ、いや、数々の疑問点が見つかるのだが、まず、ガネーシャの自称する内容をまとめておこう、ガネーシャは数々の成功者を自らの手で育成してきた、例としてナポレオンや孔子などの歴史上の偉人、自らが神である為、ブッタとも仲が良く、共に富士急ハイランドに行くような仲である。自身を現世に映し出す依り代としてるのはインド産ガネーシャ像、自身は数々の物に変化可能という点がある。
ちなみに、ガネーシャの最後は徐々に見えなくなり、消えていった。存在が無くなったのではなく、ただ単に消えていった。
この物語で疑問点に思ったところは、なぜガネーシャが主人公の下に現れたのかという点である。性格的には怠け者であり、どうも率先して人前に出ていくには活動的だと考えられる。そこで、怠け者であり、人前に出るほどの利点があるのかということだ、夢をかなえるゾウを見る限りこの線もあり得ないだろう。理由として、好みの杏蜜を買うために、わざわざ自分でも買いに行っている点から伺える。
ここで、新たな仮説が浮上した、このガネーシャを依り代に神降ろしを行えたのは素人による偶然の産物ではないかと言う点である。素人が魔術を成功させるには偶然でしか考えられない。そのトリガーとなったのが、ガネーシャの位置と術者の意思、季節と星の位置、数々の偶然の産物であろう。
ちなみに、依り代に神降ろしを行ったテーブルは丸テーブル、これは円陣(サークル)を疑似的に模しており、その上にたばこの箱マイルドセブンが置いてある。このマイルドセブンが神を降臨させるためのキーアイテムだったのではないかと考えられる。神も供物を捧げねば姿を現さぬとも言い換えることが出来る。
これ以上の情報は無いため、ここまでとしておこう。
しかし、この主人公はこの神を名乗る何かの指示をよく聞いたものだ。この指示を出すという点から、この神の持つ力量を計れたと言うのに・・・
それにブッタは時間停止能力(the world)という主人公顔負けの能力を持っている点から、かなり力が弱っていると見受けられる。